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作編曲と吹奏楽についての雑記やTipsをお送りするブログ。

リバーブを使わずミキシングで立体感を生み出す5つの方法①

出典:
5 Ways To Create Depth Without Reverb
http://www.sonicscoop.com/2015/04/29/5-ways-to-create-depth-without-reverb/#sthash.W6WHwxxK.lZi9EEfJ.dpbs

 

海外記事のご紹介です。作曲家の青木征洋さんがおすすめしていた記事を、拙訳でご紹介させていただきます。立体感のあるミキシングを組み立てる上で、とても参考になる記事です。全5回でお送りします。今回は第1回目です。

 


 

前面から奥行きへの広がり――いわゆる立体感は、優れたミックスを生み出すのに不可欠です。これがよく作り込まれていれば、リスナーは、まるで眼前からスピーカーが消え、アーティストの生演奏を聴いているかのような臨場感に没入できるでしょう。

立体感や奥行き感を出そうと思うと、しばしば直感的にリバーブへと手を伸ばしたくなりますが、これは必ずしも最善の手段とは言えません。リバーブは濫用すると、多大な空間的領域を占有し、それぞれの楽器やボーカルが本来持つ音を引き立てるのに残すべき余地がなくなってしまうのです。

幸運なことに、立体感を生み出す優れた方法は、リバーブの他にもいろいろあります。そうしたテクニックの数々はあまり知られていませんが、いずれも単独で用いたり、あるいはリバーブと組み合わせて使うことで、ミックスに奥行きや立体感を生み出すことができます。

 

 

 


トランジェント(アタック)をいじる

 

・効果:

シャープでパーカッシブなトランジェント(アタック)は、楽器の音をより近くに感じさせます。パンチの利いたスネアドラムを例にあげましょう。滑らかでサスティーンの効いたシンセパッドより前に位置していると、しっくりきますよね。

 

・やり方:

もし、トランジェントがヘビー(アタックが強くて重い)なトラックの音像が、近すぎて心地よくないなと思ったら、アタックタイムを早めに設定したコンプレッサーを使って見るか、トランジェントデザイナーを使って、音の始まりのインパクトを削り落としてみましょう。反対にトラックの音像を前に出したいと思ったら、アタックタイムを遅めに設定したコンプレッサーを使うか、トランジェントデザイナーでアタックがはっきり出るようにしましょう。

 

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(上図)トランジェントデザイナー、Waves「Trans-X」。アタックを際立たせたり減衰させたりし、サウンドにパンチを加えたり輪郭を丸くしたりすることができる。